*長文になりますので分割してアップしていきます。
足廻りをチューニングする際に変更するパーツとして、主にスプリングとダンパーが挙げられます。
スプリングの役目は、車体の重量を受け止める事です。
コーナリング時のロール量やブレーキング時のノーズダイブ量、アクセルオン時のリフト量を決めます。
細かく言うと、コーナリングはスタビライザーも関係しますが、ここでは割愛させて頂きます。
車高は、そのスプリングを受け止める「スプリングシート」の位置によって決まります。
そして、ダンパーはスプリングの動きをコントロールするパーツとなります。
ダンパーの減衰力を決定する際、スプリングが決まらないと全てやり直しとなってしまいます。
チューニングするに当たって、まず最初に必要なのが「スプリングの選択」です。
スプリングを選ぶ時に必要なのが、自由長(スプリング自体の長さ)とレート(スプリングのカタさ)です。
まずは、参考となる車種や実績から自由長とレートを仮選択します。
この時に注意するのが、そのスプリングの有効ストロークです。
あまり短いスプリングを使用すると、線間密着を起こしてしまいます。
そこで、簡単な計算の仕方を記します。
その車両の「(1輪加重÷バネレート)×2.5」を基準にすれば、おおよそ大丈夫でしょう。
例えば車検証のフロント加重が600kgの車両とします。
使用したいレートが8kgfの場合、(300÷8)×2.5=93.75となります。
ですから、最低でも94mmのストロークがあるスプリングを選んで下さい。
(スプリングストロークが表示していない場合は、自由長から線径×巻き数『密着長』を引いて下さい。線間密着までのストロークが割り出せますよね。)
では、ストロークがあればオッケーか?と言うと、違います。
今度はスプリングの密着長とロアシートの位置関係を見なければなりません。
選択したレートを使って希望の車高にした時、スプリングロアシートの位置からスプリングの密着長を足して下さい。
この時に、ダンパーケース上端からスプリングの密着時上端があまり突き出ない事が望ましいです。
突き出し過ぎるとダンパーストロークが残っているにも関わらず、スプリングが線間密着となる可能性があります。
逆に低すぎると、スプリングストロークはあるのにダンパーストロークが無くなってしまいます。(この場合、ダンパーケースのショート加工が必要になってきます。)
理想は、ダンパーストロークよりスプリングストロークがあって、ダンパーストロークとタイヤストロークが同等。
但し、状況によっては変化しますので(ツインスプリング等)、あくまで基本的な考えとなります。
つづく。