ストラット式のサスペンションに使用するアッパーマウントは、その車のジオメトリーに大きく関わってきます。
一般的には、純正の位置からネガティブ側への調整幅を持たせています。
これは、車体がロールした際に対地キャンバー角度を補正する為です。
更に、ステアリングを切った際の対地キャンバー角度は、キングピン角度によって変化してきます。
前置きが長くなりましたが、S30Zはマウント面積が小さく、充分な調整幅を持たす事が出来ません。調整式のロアアームであれば、ある程度対応出来ますが。
そこで、小さいマウントのS30Zで効率よく対地キャンバー(あくまで走行時のステアリングを切った時の角度であって、静止状態での1Gではありません)を補正するにはどうすれば良いか、、。
アッパーマウントでキャスター角を付けて、操舵時のキャンバー角に変化を付けてあげます。
操舵角度によって、キャスターを立てた方が良い場合と寝かせた方が良い場合がありますので、マウントを等分で6ホールとし、ピロボールを5mmオフセットさせました。
これにより、ボルトの差替えで「キャスター角度の変化なし」「キャスター角度大」「キャスター角度小」の3パターンを選択出来ます。
PCDが小さいので、ピロボールのケースを一部切削しなければなりませんが、上からボルトを挿すカタチを採れば最小限の加工で済みます。
ちなみに、アルミ(ジュラルミン)のアッパーマウントですと、雌ねじとしての強度が足りなくなる場合がありますので(脱着の度に締め直しを繰り返しますので)アルミ製では真似をしない方が良いですよ〜!
とりあえず試作が出来ました。
後はテスト!テスト!テスト!!